深読み気分を満喫するブログ

人生とはなんぞや?人間とはなんぞやー?

映画「エベレスト」人はどう考え動くのだろう

 呆然とする。

現実と創作物の隔たりを突きつけられた映画でした。

同時に、世界最高峰エベレストの壮大な映像を堪能できます。

 

バルタザール・コルマウクル監督による2015年公開のアメリカ・イギリス合作映画ですね。

 

エベレスト登頂に挑む人々。

その実話を元にした映画です。

この実話を、僕は知らなかったので、結末は知らないまま見ました。

だからこそ良かったなと思います。

なので、結末については書きません。

 

自然の厳しさを知る、なんて言葉で済ませるような話ではなかったですね。

人間とはどう動くのかを見る映画でした。

 

よく、「チャンスはそうは来ない、チャンスだと思ったら絶対に掴み取れ」と言います。

確かにその通りで、人生においてチャンスはそうは訪れません。

そして、人生を重ねると、いくつかのチャンスに恵まれながらも、それをことごとく取り逃がした自分がいる。

そんな自分に、いつしか気付いてしまったり、あるいはそう思い込んでしまったりする。

 

「あの時もしも。」と。

子供には、「未来のもしも」が沢山残されているが、歳をとれば「未来のもしも」は減り、「過去のもしも」が増えてくる。

その「未来のもしも」が減ってきたことへの焦りは、もしかすると判断を狂わせる。

 

もう人生も折り返しを過ぎて随分経った。生きている間に、またチャンスは来るのだろうか?

 

「もうこれが最後のチャンスかもしれない。」

そう思った時に、人は危険をどのように評価し、認識し、動くのだろう。

 

子供のような無知ゆえの過小評価ではなく、大人ゆえの何かがあった。

 

だいの大人でも、寒さゆえ、低酸素ゆえ、きちんと判断が出来なかったのではないか?という感じではなかった。そうではない。

だいの大人が思考した結末は、それまでの「あの時もしも」の積み重ねなのかもしれないな、と思わされるものでした。

 

物語の結末は、ハッピーエンドだとか悲劇だとかいう感じではなく、事実を見て呆然とするしかないのですが。実話ゆえに。

 

同時に、雪山の魅力や雄大な自然に心を奪われる。

すごい星に生まれてきたんだなとも感じます。

 

雄大な世界を少しずつ前進する小さな人間。人は、その世界の全てを見る事は出来ない。今この瞬間に目に映る目標に向かって、翻弄されながらも、歩んでいる。人生とはこういうものなのかもしれないなと思います。